新興国でがん治療薬販売=アフリカ10カ国進出へ
武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長はインタビューに応じ、アフリカや南米、東南アジアなど新興国で始めた医薬品を入手しやすい環境づくりに関し、「アフリカでは10カ国に活動を広げていく」と語った。早期にがんや潰瘍性大腸炎の治療薬を患者の所得に応じた価格で売り出す計画だ。
武田は8月、所得格差や不十分な医療制度のため、必要な薬を得られない人が多い新興国を対象に、所得に応じて価格を定める方式で医薬品を販売する取り組みをスタート。
アフリカではケニアに事務所を設置して現地調査を始め、10カ国で進出を目指すことになった。欧米メーカーはすでにアフリカで、感染症などの医薬品を販売、提供している。
ウェバー社長は「新興国でも後発薬は安価で入手できるが、革新性の高い医薬品は代替品がない」と指摘。開発中のデング熱やジカ熱のワクチンも販売を予定しており、安価であっても有償とすることで「長期的な支援が可能だ」と話した。